近頃はネットショップでハンコを購入する方も増えてきておりますが、老舗として少し注意喚起しておきたいことがあります。
題して『気を付けた方がいいハンコ屋さん』
・価格が他店よりやたら安い
これはある程度の価格差であるならばそのお店の企業努力によるところが大きいですが、例えば平均1万強で販売されている12mmサイズの黒水牛が、2,000円代で販売されているところがあります。これは十中八九、芯を持たず一般的なハンコ屋では販売していない、とても弱い印材です。
芯ありとくらべ耐久性が雲泥の差なのに対し、真っ黒く染められているため芯があるか判別できない物が多く、芯が入ってない印材を芯持として販売している所もあるようです。
また知識のない人が機械彫刻することで時間をかけずに作製しているところが殆どで、簡単に複製されやすい、嘘字を用いている、注文通りに彫刻されていないなど、素人目に分かりづらい問題も多いです。
・やたら彫刻師を仰々しく紹介している
〇〇先生など、やたら彫刻師を崇めているハンコ屋には要注意。
これは必要以上に持ち上げる事で、商品価値を無闇矢鱈に上げているお店が多いです。
常識あるハンコ屋さんは彫刻師を必要以上に持ち上げることはしません。
・価格が他店より数倍~数十倍高額
これは前出に通ずるものがあるのですが、彫刻師を持ち上げた挙げ句、柘印を通常数千円で販売しているものを、数万円~数十万で販売しているところもあります。
だいたいそこには賞状が掲載されているところが多く、他の彫刻師と比べてもそこまで腕の差が見受けられないのに、価値を煽って必要以上に印章を高くしています。
もちろん一生物と考えれば少しでも腕の良い彫刻師に彫ってもらいたいと思いますが、そこばかり気にして必要以上に高額で購入しないように気をつけましょう。
・チェーン店にはご注意を
これはショップの店員さんの知識量が極端に少なく、販売に必要な知識が圧倒的に劣っているところが多いです。
本来キチンと説明してお客様に納得して販売するのが当たり前ですが、それすら放棄しているところすらあります。
またチェーン店では基本機械彫刻ですので、高価な印章を購入する際は十分に注意して下さい。事実、後から出来の悪い印章で後悔して当社へご来店される方が後を耐えません。
やたら彫刻が深い、文字の線が細い、真っ直ぐ彫ってある、楷書や行書など職人の腕が出やすい書体を勧めたがらない等、知識がないハンコ屋さんではかなり出来の悪いハンコが多いのでご注意下さい。
・姓名判断等で不安を煽る、決めつけた物言いをする
通常、姓名判断とは実印を作る際に用いるツールなのですが、昨今のブームに乗っかりやたらお客様の不安を煽ったり、アナタはこうだ!と決めつける方がいらっしゃいます。
姓名判断は一種の占いであり、占いは全般的に統計学です。ですので、こういった傾向になる人が多いと捉えるのが一般的なのに対し、決めつけるなんて事は通常いたしません。
また、姓名判断と彫刻をワンセットで行えるハンコ屋は全国でも少なくなっています。ワンセットに行えないと無駄に金額が高額になったり、占いとは違った形で彫刻されているということもあるようです。
他にも書きたいことが多いですが、ネットショップではどうしても薄利多売の傾向が強く、大事なものを守るというハンコ本来の意味すらも蔑ろにしているお店も見受けられます。
未だ重要な局面で使用することの多いハンコですのでご購入の際は値段だけで決めず、是所お店の良し悪しを判断してご注文下さい。